海外で看護師として働くには

看護師の仕事は万国共通なので、日本で看護師の資格を持っていれば海外でも働けると考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、求められるスキルは確かに共通点が多いものの、実際には使用が認められる薬剤は各国ごとに異なりますし、医療用語もその国の共用語で何と言うのかを知っていないと仕事になりません。そのため、ほとんどの国は自国内で看護資格を設けており、日本で看護師として働いていても、その国で資格を取得していなければ看護師としては働けないのです。

たとえば、アメリカでは州ごとに看護師に必要な要件が定められています。ニューヨーク州で看護師として働けるからといって、カリフォルニア州でも同じように働けるとは限らないのです。資格を取得するには、CGFNSと呼ばれる機関で看護師に求められる単位を持っているかどうかを確認したうえで、NCLEX-RNという資格試験を受験し、それに合格する必要があります。

一方、オーストラリアの場合は、日本で資格を取得していて看護師としての勤務経験があれば、英語試験を受けるだけで看護師として登録することが可能です。ただし、看護学校などを出ていて学位がない場合は、現地の大学に通って学位を取得しなければなりません。このように、看護師になるための条件は国によって大きく異なります。以上のことから、海外で看護師として働くことを希望する場合は、就労を希望する国がどのような条件を定めているかを事前に確認するようにしましょう。